パヤオからチェンマイ行きのバスは8割がたの乗車率だ。いつもの癖で移動の度にバッグの中を整理点検する。事あるごとに整理すればいいのだが、いつもバッグの中にそのまま入れてしまうので、バッグの中は煩雑になってしまう。時間をかけて整理整頓しすべての書類やチケット・現金・手帳と雑記帳のチェック・・一通りおわり乗車する前にバス停の雑貨屋でかったレッドブルを飲む。アッ、ナイ。手ぬぐいがナイ。タイには手ぬぐいが私には必要だ。
手ぬぐいは汗拭き・帽子・時にはフンドシにもなる。なにより、かさばらないしすぐに乾く。タオルでは駄目なのである。そうだ、雑貨屋で落としなのだ。これで2本目だ。
車中は、ほとんどがタイ人だが途中パヤオ市のバスターミナルで2名の欧米人の汚いカップルが乗ってきた。バックパッカーだ。もの静かな彼らの言葉は英語ではなかった。それにしても疲れ顔だ。パヤオで欧米人とは珍しい。日本人も珍しいのだが・・彼らはどこをどうやってここまで来たんだろう。頭にタイ地図を思い描き想像してみる。あの姿は、昨日は宿には泊まっていないという事は、夜行バスでパヤオに来た。どこから?中継点は・いろいろとルートを探す・・いつもだがマァ〜いいやで終わってします。バスは日本の高速バスを古くした感じで、シートは広めで楽である。途中の町のターミナルで小休止、オシッコタイム。他からのバスも中継点にしているらしく2台のバスが停車していた。
ほとんどの乗車客は公衆トイレに向かう。トイレの前ではおばさんがテーブルを出して椅子に座っている。トイレ使用料2バーツを取るためである。こんな時の癖で、いつも儲けの事を考える。このターミナルはチェンマライ(タイ最北の県)からのバスとパヤオバスの交差する町のターミナルだから・(そうかあの汚い欧米バックパッカーはチェンライから来たんだ)・・・今は連休だから・・・50人×8便=400人 2バーツ×400=800バーツ・・一日の売り上げにしては良い稼ぎだな〜と思いながら。私は売店に行く、レッドブル10バーツとリポ(リポビタンD=12バーツ)を買って、トイレ脇の喫煙場所でタイ人と一緒に一服した。トイレに行くとトイレおばさんがいない、私はそのまま入り、用を済ませた。2バーツ得した。よっしゃ、おばさんの今日の儲けは798バーツになっのだ。おばさんの既得権へのささやかな抵抗だ。
バスはこれから山超だ。道路は綺麗に舗装されている。タイは汽車が充実していなが幹線道路は広く整備されている。
上り坂を初めは快適に走るが、乗用車にどんどん抜かれる。 頂上に着くにつれて左に寄り、歩くぐらいの速さで息切れしているように登る。しかし、これがとてもイイ。車高が高いし、ゆっくりなので車窓からの風景が見やすい。農作業のおじいちゃん・牛の食む姿・子供たち遊ぶ様子・廃墟になつた牧場・清流と細い滝・・びっくりして乗車客が皆で驚いたのは、メルヘンチックが家だ。真っ白な家に手入れされた芝生の庭、庭にはヤギが繋がれていて山からの清流を引き両岸には自然石で飾ってある。敷地は柵で囲っていない。まるで童話の世界のような家だ。タイ人たちは、あれはコン・フェラン(ヨーロッパ人)のお家だろなと言っていた。こんな山奥で・・・多分、家の中は暖炉がるな〜と私は思った。
家の中を想像していると、なにか不機嫌になり・・やめたっ。山並みが柿色にやがて朱色それから茜色・・紫かかって黒になる。綺麗だな〜しばらく観ってしてまた、バッグを点検整理して寝た。